2013.07.07
工場のハムでございます。
いや今日は、いきなり真夏のような天気で。
昼頃は作業してると何かクラクラしてきましたけど、
その分、帰ってからのビールが旨いということで。
こんな日はヱビスが良いなあ。
前置きは適当にしまして。
今回は、うちではここのところ需要が多い、F1アクチュエーターの分解修理の様子を紹介してみたいと思います。
F1アクチュエーターとは、油圧を動力にして変速を行う部品で、F1システムは基本的にマニュアルミッションをベースにしていますので、シフトレバーの動きを機械が行うために、縦方向と横方向にシフトを動かす2本の油圧シリンダーが中に収められていて、大体50バールの油圧を動力にして、変速する度に動きます。
走行距離が伸びて内部油圧シールの劣化が始まってくると、規定の油圧がシリンダーに掛からなくなるので、特定のギアだけ変速しないような症状になることもありますし、外部と油圧部分を遮断しているシールが劣化すると、シフトをする度に外部へオイル漏れを起こします。
そうなった時、困ってしまうのが部品の価格。
部品はアッセンブリーでしか供給されませんので、例えばモデナの場合、現在の部品価格が200万円位!という恐ろしいことになります。
では何とか分解して内部の悪い部品だけ交換して修理できないかと。
大抵は油圧シールの交換で済んでしまう筈だから、そのシールを何とか製作してしまえば良いだろうと。
今まで色々と試行錯誤を重ねてましたが、そろそろご紹介できそうな感じになってきました。
以下が作業工程です。
なかなか全てを載せることができませんので、ちょっと写真が判りづらいかもしれません。
その辺はスミマセン。
1~3枚目の写真が、分解している工程です。
内部シールの摩耗や、Oリングのシール性能が落ちていることが原因の大半ですが、シリンダーの傷等も分解しながらチェックしていきます。
5枚目は全ての部品を外し終えたアクチュエーターのケースです。
油圧が高く掛かる部分は、テフロンをベースにした材質が使われていますので、金属の添加剤で補強したテフロンを材料にして、それを同形状に削りだして製作しました。
4枚目の写真が、新しいテフロンシールに交換したところです。
Oリングは全体に使われているうちの3割程が、規格品のサイズでは対応できないので、ちょっと苦労しましたがナゾのルートにて入手。
355~430まで、使われているシールやOリングの寸法データは揃っています。
近日中に、シールキットとして在庫もしていく予定です。
6枚目が交換したシール。車種で若干変わりますが、シールの部品は全部で25点程使われています。
意外と点数が多い感じ。
内部シールを交換し終えたら、周りの部品を取り付けて完成です。
それから、車両に取り付けながらテスターを使ってのエア抜きや、アクチュエーターのセンター位置を記憶させる再設定を行い、作動チェックして完成です。
目指したところは、部品代をなるべく抑えつつも質の高い修理です。
今までそういったニーズが多くあったからこそノウハウを積み上げられたので、この方向性は時代の流れなんだろうな。と思っています。
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