2018.11.21
皆様こんにちは工場のハムでございます。ここのところ珍しく?日々の仕事紹介を続けており、今回も本日行っていた作業の紹介から、そのエンジンの解説みたいな流れでいってみます。
何となく久々に、本書いてた時の文体で改まって書いてみようかな。
昼過ぎ位にかけては、365GT4 2+2の車検準備とキャブレターの微調整を行っていた。
コロンボ系終盤の、この365エンジンは275やデイトナ系の次世代にあたる。デイトナのエンジンのベースは275のOHCエンジンであるが、DOHC化するためカムを1本追加する手法として、一部カムギアトレーンを採用した独特のカムシャフト駆動方式を持っていた。その複雑な構造から、365ではオーソドックスなチェーン駆動DOHCのレイアウトになったことと、ヘッドカバーの中をインテークのポートが貫通し、キャブレターはそれまでのダウンドラフトからサイドドラフトになったことが、主な変更点だ。そのため、キャブレター、エキゾーストマニホールド共に、Vバンクの外側にレイアウトされるのが外観の大きな特徴である。
当時のライバルであるカウンタックは、LP400でこの365と同様の吸気構造を持ち、4バルブ化されてからダウンドラフトに変更されている。お互いが反対の方向へ進化していることが大変興味深い。
そのレイアウト変更は、キャブレターも含めたエンジン全高を抑えることが主な目的であろう。だが、エンジン全体の重量に対してキャブレター重量の割合は高くないので、シリンダーヘッドを新設計するという大掛かりな変更を行った手間の割には低重心化されないことや、エキゾーストマニホールド真上に位置するキャブレターは、排気熱の影響を受けやすいデメリットもある。
それらを考えると、ボンネットを低く抑えるというボディーデザイン側の要求から、ここまで手間をかけてエンジン高を圧縮したのではないか。そのため大きなデザインの特徴である、楔のような直線的なサイドシルエットが実現できたのではないかと、私は想像している。
(写真はWikipediaより拝借)
コロンボ系エンジンの性能のピークはデイトナである。荒々しく一気に吹け上がり、最高回転は8000rpm近くまで達するエンジンと軽量なボディーの組み合わせは痛快だ。絶対的な速さは現在のスポーツカーに敵わないものの、F40などと同様に当時の頂点を体感できる車として非常に価値が高い。
だが、誰にでも扱える代物ではなく気難しい面もあったためか、後のモデルはパワーは多少低くても扱いやすさを優先し、パワーステアリングや電装品などの装備も充実され、快適に長距離を移動するための、ツアラーのような方向性へと変化していった。ちなみにこの365では、デイトナと比べカムの作動角が大幅に少なくなったのだろう。レッドゾーンは7000rpmまで下げられた反面、中低速のトルクは厚くなり、パワーステアリングの効果と相まって街中での扱いやすさは向上している。
以降のモデルでは排気量が拡大され400へ、その後、機械式のインジェクション化、更に排気量が412に拡大された。このタイプのエンジンとボディーは、3回ほどの大幅なマイナーチェンジを受けながら、1980年代末まで20年近くに渡り使い続けられたのである。
今回はこんなところです。
また機会がありましたら解説ネタやってみたいと思います。
お付き合いの程、有難うございました。
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