「アヴェンタドール S」のシャーシには、引き続きアヴェンタドールの個性的かつ頑丈なアルミニウム・フレーム付き軽量カーボンファイバー・モノコックを採用しています。 その結果、乾燥重量は 1.575 kg に留まりました。
「アヴェンタドール S」は、最高のドライバビリティ、乗り心地およびパフォーマンスを目指す「トータル・コントロール・コンセプト」にもとづいて開発されました。
特にハンドリングとドライビングエモーションの向上にこだわり、サスペンションのみならず電気制御システムにおけるすべての面において進化を遂げています。
横方向制御を向上させたのが、今回ランボルギーニのシリーズ生産車に初採用となった新四輪ステアリングシステムです。
同システムにより、低速および中速時での俊敏性が高まり、高速時の安定性が増しました。また、フロントアクスルでは、より自然で高反応な感触とシャープなターンインを可能にするランボルギーニ・ダイナミック・ステアリング(LDS)と統合されています。
なお、LDS は、リアアクスルに搭載されたランボルギーニ・リアホイール・ステアリング (LRS) と統合する目的で、特別に採用されました。LRS は、ドライバーのステアリングに応じて 2本のアクチュエーターが 5 ミリ秒の速度で反応し、リアルタイムでの角度およびコーナリング剛性の調整を可能にします。低速時にはフロントホイールがステアリング角度と逆方向を向き、ホイールベースを縮めます。これまでより小さいステアリング角度での走行が可能になるため、より俊敏性に富み、回転半径が小さく、カーブでも高パフォーマンスを発揮。街中や低速運転時での操作が簡単になりました。一方、高速時では、フロントおよびリアホイールが同じステアリング角度をとり、ホイールベースを拡大。車体の安定につながり、反応性を最適化します。
垂直制御の要となるのが、新四輪ステアリングに合わせて運動学面での修正を施した最新式のプッシュロッドおよびランボルギーニ 磁気粘性サスペンション(LMS)。新サスペンションについては、キャスターおよびシステムへの負荷を削減するために上下アームおよびホイールキャリアを装備するなど、LMS 用に形状を最適化しました。新リアルタイム可変ダンピングシステムは、ホイールおよび車体制御を最適化するとともに均衡および地盤剛性を最大化します。また、新リアスプリングも、車体のバランス向上に貢献しています。
縦方向制御のベースとなるのが、新 ESC 戦略です。ドライビングモードに応じて、よりスピーディーかつ高精度なトラクションや車体力学の制御を叶えるべく改良された戦略です。
雪上や氷上などでのテストを重ね、「アヴェンタドール S」は粘性の検知度を高めることに成功。あらゆる状況下で最大のグリップを得られ、ハンドリング力が従来よりも高まりました。また、車体を安定化させる効果を持つ新 LRS に合わせて常時四輪駆動を調整し、リアアクスルへのトルク配分を増加させました。スロットルの電源を切ったときにフロントアクスルへと移動するトルクを少なくすることでオーバーステア挙動を可能にし、スポーティーでありながらも安全なドライブが可能です。
また、上記のシステムを管理するランボルギーニ・ディナミカ・ヴェイコロ・アッティーヴァ(LDVA)制御ユニットを統合しました。LDVA は車の新たなブレーンとなり、車体の全センサーからリアルタイムで正確な車体動作関連情報を受信。瞬時に稼働中のシステムにとって最適な設定を決定し、あらゆる状況において最適な車両力学を実現します。
詳 細