2018.03.14
皆様こんにちは。工場のハムでございます。
拙著フェラーリ・メカニカル・バイブルを増補改訂するという話がありまして。出るとしても何年か後になるのですが、ボチボチ追加する内容の検討に入っているところです。
あと、Amazonのレビューを見て頂けると分かるのですが、装丁と紙質についてのご指摘が多く、それにも対応し部数限定で豪華版みたいな話も出ています。
本文の内容に関しては、例えばターボエンジンの解説など、ページ数の都合でザックリと削ってしまったものを復活させてみます。
やっと例の「である」を連発した語り口から抜け出してきたのに、(出稿直後はメールもあの調子で、よく怒っていると勘違いされてました。)またあれに戻す努力が必要とは。
以下、まだまだ書きかけですが、こんな内容にしてみようという、フェラーリが造るターボエンジンを解説した触りの部分を載せてみます。
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ここではターボモデルについて解説してみたい。
フェラーリの場合、80年代半ばの208ターボや288GTOからターボモデルが始まり、90年代初頭まで生産されたF40を最後に、以降は一旦ノーマル・アスピレーション・エンジン(自然吸気エンジンのこと。以下NAと表記)だけとなる。
それがまた最近になり、カリフォルニアTよりターボモデルが復活し、現在では488やGTC4ルッソなど、かつては12気筒だったモデルや、ミッドシップにもターボ化された8気筒が搭載されるようになった。
解説の便宜上、以下より、これら80年代のターボモデルを「第1世代」、カリフォルニアT以降を「第2世代」と呼ぶことにしたい。
(第1世代のタービン F40)
フェラーリが造るターボエンジンの世代を通して共通した特徴は、ターボを装着すれば割と簡単にパワーを上げることは可能でも、それだけに頼らず、NAエンジンとしての資質も高めるため、きっちりと燃焼室やポートの加工を手作業で行っていることである。
以下、世代ごとの特徴を第1世代の解説から進めてみたい。
第1世代では、カムのプロフィールやバルブタイミングの設定値までNAモデルと同じで、NAモデルの圧縮を単純に下げただけのような構造である。
燃焼室はNAモデルより若干深い程度。(F40)
ピストントップを凹ませて圧縮を下げている。(F40)
ブーストは1Bar台前半という、高めの値に設定される。その結果、タービンが仕事を始めると、恐ろしいまでの加速を8000rpmまで続けるのが、フェラーリのターボエンジンの持ち味であり、それは現在でも受け継がれている。パワーはあっても、ジェントルに回るのが持ち味の12気筒とは対極的である。
F40は私が業界に入った頃の現行車であった。当時はGTRやNSXが発売された直後ぐらいで、それらのチューニングカーは、まだ存在していなかった。
そんな中、いわゆる「つるし」の状態で500馬力近く発揮し、(イタリア馬力表示全盛のなか、F40だけはカタログデータを超えた個体が多く存在し、500馬力を超える個体も存在した)最高速は300km/hを超える衝撃的な車であった。
その前のスペチアーレである288GTOは、初めてターボを装着し、初めてV8エンジンを縦に搭載したモデルである。この基本構成がそのままF40に踏襲された。排気量がF40より小さいため、出力は400馬力位である。現在では普通のセダンでも、その位のパワーは珍しくないが、当時はV8で200馬力台後半、12気筒で300馬力台後半が標準であった。以降のモデルと比較すると、直線加速は360モデナと同等位だ。流石に時代の変化を感じてしまう。
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と、このような感じで、次に208ターボの解説、その後は第2世代がターボになった理由などを書き進めていきたいと思います。
乞うご期待!
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