2018.04.04
皆様こんにちは。工場のハムでございます。
今日は久々に本業ネタなのですが、普通はここまでしないよ。という、かなりマニアックな事例を紹介してみます。
それは、フェラーリでは60年代以前のモデルに使われている機械式燃料ポンプのオーバーホールです。
部品を入手して交換するだけならば割と簡単な作業なのですが、現在入手できるOEMのオーバーホールキットは正直なところ品質が悪く、中身のワンウェイバルブの組み付けに難があるとか、ダイヤフラムは純正が薄手のゴム三重構造なのに対し、OEM品は厚手のゴム一重のためクラックが入りやすく、交換後二~三年でガソリンが漏れてくる例が多いです。しかも高い。
そこで、ダイヤフラムを自作してオーバーホールすることにしました。
まずは材料の準備。以前交換した純正のダイヤフラム。これがポンプの中で上下してガソリンを送り出します。
ここから更に分解してゴム部分だけを交換します。
カシメ部を削り落としてダイヤフラムを分解した後、0,5mm厚のダイアフラムシートを手配して同じ形状で三枚切り出します。
最近は、ダイヤフラム専用のゴムシートまで通販で購入できてしまいます。便利な世の中になりました。
シャフトにはスタッドボルトを埋め込みナットで固定する構造に。これで次に漏れた時はゴムシートだけ交換可能です。
中央のナットを締める際、ダイヤフラム位置を固定するための治具。アルミ板を加工して製作しました。
ナットとケースのクリアランスは数ミリしかないのでダブルナットやロックナットは使えず、締めたナットの緩み止めは、シャフトとナットそれぞれ横から貫通穴を開けて割ピンで固定。レトロな手法だけど、ポンプ自体旧い物だし確実だから良いか。
組み立てて完成。普通にガソリン送れてます。あとはどの位耐久性があるか検証中です。
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