2018.10.17
皆様こんにちは工場のハムでございます。今日は珍しく?本日の作業、F119エンジンのシリンダーヘッドを組み立てている様子を紹介します。
バラバラになったF119エンジン。カムシャフトを駆動するギアが1つだけなのが、このエンジン最大の特徴でありウイークポイントでもあります。
バルブを交換して、擦り合わせを終えたところ。新品のバルブでも、手で多少擦り合わせれば簡単に当たりが出てしまうところが、フェラーリの拘りであるエンジン内部の部品の高精度さが感じられる部分で。でもバルブの本数が多いので、擦り合わせを終える頃には手のひらが痛くなって握力が低下してます。
そして、今日はこれをメインに紹介しようと思っていた、バルブシールの組み付け。
90年代前半までのフェラーリは、テフロン製のバルブシールを使用しています。テフロンの筒をスプリングで締め付ける構造なのですが、これはオイルをきっちりシールするのではなく多少ルーズ目にして、若干漏れるオイルで減りやすいブロンズ系の材質を使ったバルブガイドの潤滑を行い、磨耗を防いでいるのではないかと。
これがゴム製とは違って変形しにくいので、取り付けに注意しないと、いとも簡単に切れてしまうという代物で。
そのままバルブを通してしまうと、先端の角やコッターが付く窪みの部分に引っ掛って、簡単に内側が削れてしまいます。
そこでこの専用工具。バルブの頭に被せて、バルブを通す時にシール内部を保護します。
これ単品での購入はできなくて、エンジンの純正ガスケットキットを買うと付いてくるという貴重な品。でもそんなにガスケットキットを買う機会は無いので、以前に買った時に付いてきた残りを大事に使ってます。
バルブに被せてからシールを装着。
取り付けたシール。
組み付けを終えてシリンダーブロックへ装着前。
昔のフェラーリ屋は、エンジンをバラシて組み立てる仕事が異様に多くて、それが普通位に思っていたのですが、最近ではそんな重整備はめっきり減った上に、相変わらずエンジン本体を分解整備するのは355以前が大半という状況です。360のエンジンは多少弱い部分がありますけど、それ以降のフェラーリは信頼性が大幅に向上しました。現在は他メーカーと同様、まずエンジン本体は触る機会が無く、テスターの使用を中心としたコンピューター電装のメンテナンスがメインになっています。
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